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統一教会と二世コミュニティ【後編】2

痛みを知る二世・痛みを知らない二世


二世は皆、様々な困難を経験し、葛藤を越えてきたに違いありません。しかし、二世の置かれた状況は千差万別であって、皆、同じレベルの痛みを経験してきた訳ではありませんでした。


大別するなら、二世には3つのカテゴリーがあったと言えます。


マッチング家庭の二世(祝福二世)
第一に、両親が祝福結婚を通してマッチングされ、その後、生まれた二世の立場です。両親が祝福を受けた後に授かった子女を、教会では「祝福二世」と呼んでいました。基本的には、両親共に信仰をもっているケースと言えます。


既成家庭の二世(信仰二世・祝福二世)
第二に、両親が一般結婚をした後に祝福を受けた家庭(=既成家庭)の二世です。多くは妻が先に入信し、夫が後に賛同(承諾)して祝福結婚に臨んだケースで、祝福前に授かった子女は「信仰二世」と呼ばれています。(既成家庭の場合、上の子が信仰二世、下の子が祝福二世というケースもある)


壮婦の家庭の二世(信仰二世)
第三に、妻だけで信仰している立場(壮婦:壮年婦人の略)を親にもつ二世です。夫が賛同し、夫婦で祝福を受ければ「既成家庭」となりますが、夫が妻の信仰に賛同していない、または反対している場合も少なくありませんでした。


以上3つの立場のうち、最も困難な環境に置かれていたのは壮婦の家庭であり、その二世たちだったと言えます。(山上家庭もこの立場に該当)


皮肉な現状ですが、献金活動において、より多くの犠牲を払ってきたのは、マッチング家庭や既成家庭よりも壮婦の方々でした。


過剰な献金が求められた時、夫婦で信仰していたなら、一方(主に夫側)が冷静に判断し、「歯止め」をかけるケースもあると言います。が、孤軍奮闘している壮婦の場合、逆に「自分が信仰を立てなければ…」という思いから無理をしてしまう(或いは教会側が無理をさせてしまう)のでしょう。


そうした献金問題から夫婦間、親子間に不和が生じるケースもあり、それが二世たちの現実を直撃するのです。


もしそれでも、その二世たちが二世部に通っていたなら、同世代とのつながりが彼らの痛みを和らげてくれたり、彼らの苦悩を二世部でキャッチすることもできたに違いありません。しかし、上記3つの立場のうち、最も二世部につながりにくかった立場が、他ならぬ、壮婦の家庭の二世たちでした。


こうした二世たちは、その行き場のない思いをどこに相談できたのでしょうか…。


現場で時折、こうした家庭の相談を受けたこともありましたが、私自身、今回の一連の報道を通して、当時、私たちが見落としていた多くの課題があったこと、私たちが汲み取れていなかった多くの声があったことを思い知らされました。


信徒の中には(一部の二世たちの中にも)、教会に被害を訴える二世たちの声を、単に「反対派」によって操作され、誇張されたものに過ぎない―と捉える、冷ややかな見つめ方がありますが、それは違うと思います。


私たちは、私たち自身が意識できていなかった声があること、取り零してきた多くの痛みがあることをもっと真摯に受け止め、その声に耳を傾けなければならないと思うのです。

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